蜻蛉句帳

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彦坂紹夫さんから送られてきた鳥巣敏行編纂「蜻蛉句帳」を読む。もと舟唄同人とその周囲にいた人たちの青春その後が想像出来た。
俳句に始まって俳句に終わった秋元潔の晩年の作品を読む事が出来た。彼が晩年すごした横浜金沢区「鳥浜」へ近々行こうと思っている。
そう遠くは無いところに秋元潔はいるといつも考えていた。偶然、電車の中で会うかもしれないと云う恐れがあったがお互い会うことはなかった。

1999年 鳥浜早春『春光のたゆたふ海を白帆行く』

ぼくはその頃横浜磯子にある横浜市民ハーバーに出入りしていて時には鳥浜の沖合いをクルーザヨットを走らせていた。
殆どの人がそうであるようにぼくも、彼らもそんなには大きくは無い限られた行動範囲で生きていたのだ。日常もまた夢。
数々の句を読んでいて細々とした静かな退屈な時間を想う。東京下町で暮らす彦坂紹夫さん。長崎の鳥巣敏行さん、千葉の天沢退二郎さん。

彦坂紹夫さんにお礼を言いたかったので手紙を書こうと書き始めたがどうにも書けない。乱暴にも電話をかけ話をする。書き損いの手紙が残った。
みなそれぞれだが、彼らは時代を作る自負を持っていた。時代は彼らによっては作られたのだろうか?そう…まだ分からない。

『蜻蛉句帳四○号』に載っていた木村栄治さんの文章

「秋元潔詩集」を作っている。鳥巣さんから『ひとりの少女のための物語』を送ってもらった。私はおどろいた。この詩集を読むのは初めてだった。
おもえば、私が秋元潔におどろいたのは四十年も前のこと、『博物誌』『屠殺人の恋唄』との出会いだった。
そして思った。なにゆえに、秋元潔は封印されているのかと、私は無常を思った。人生は取り返しのつかないことばかりである。
たわむれに、詩人の頭をたたくと、軽くて、すずしい、よい音がした。詩人の肉声は、もう忘れがちだ。
手だけが記憶を伝えているようで、私はさみしくなる。

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by akiraogawaG | 2009-11-05 21:56 | 友達
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