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ギター演奏、そんなに甘いものではない!

世の中には「視覚障害者の展覧会」「聴覚障害者の音楽会」「大人のためのピアノ教室」「子供のための絵画教室」など、それこそ優しさに溢れたガイダンスが幾らでもある。「…のための」は分かりやすい。しかしこうした偽物の優しさが世の中を駄目にする。ここで思い出したのはグリム童話「赤頭巾ちゃん」のお話である。読んだことないひとは読んでください、怖い怖いお話であります。
以前私のところにギターの銘器ホセ・ラミレスを携えてギターが上手になりたいと言って来た男の人がいた。弾かせてみると出鱈目なので、「本当に上手くなりたいなら基礎から訓練しないと上手くなれない。それでもやりますか、大変ですよ。」と聞くと「ハイ」と言うので基礎の基礎の訓練方法を教えた。するとに三日後メールが来て、私は趣味でギターを弾くのでそんなに厳しい事は出来ない御免なさい、と言って来た。本人が趣味であろうと何だろうとそれは本人が決めていることに過ぎない。演奏する作品や演奏した音楽には関係ない。またそれを聴く人にも関係ない。傷害のある人が弾こうが、傷害のない人が弾こうが、子供が弾こうが、高齢者が弾こうが関係ない。演奏されたものが良いか、悪いかだけである。誤解のないように言っておこう。ここでの良し悪しはギターの演奏の技術の問題を言っているのではない。時々たいした技術を持っていないのに心を打つ演奏がある。多分弾き手の内部に存在する「悪魔ちゃん」の仕業であろう。
by akiraogawaG | 2006-05-01 08:44
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