芸術は現実社会よりも上でなければ意味がない。 横浜トリエンナーレの作品を観ていてつくづく現実社会の方が上だと思った。「金融危機」「振り込め詐欺」「貧困ビジネス」の方が上だ!人間の想像力、人間の心を動かすこれらの事件の方が技が上なのである。芸術を「玩具」と言うのならそれはそれで完結してしまう。しかし「芸術」は玩具ではない。未来に向かってのメッセージだと思う。特に横浜トリエンナーレはそうした催し物であるはずなのにそれが希薄だ。ここで観られた新しい素材作品は面白いが、60年代70年代の現代芸術を観てきたものにとっては閉塞感を感じてしまう。 「土方巽」の舞台映像に人が群がっていた。ひどいぼやけた映像の「土方巽」が踊っている。「踊り」とも「のたうち」も分からない虫の喘ぎのような踊りは不思議な魅力に溢れている。芸術は現実社会が極度な貧困でも存在するし、豊かな社会でも存在する。何故なら「人は誰でも芸術家」であるからである。ただ表現するか表現しないかのわずかな差が人を2分する。後は技術である。三年前の横浜トリエンナーレの方が上だった。こうした衰退していくお祭りはいずれ無くなるだろう。それも仕方ないことだ。唯一進んだのは会場での写真撮影が認められた事位だ。 *写真は展覧されている作品ではありません。
by akiraogawaG
| 2008-11-05 08:37
| 芸術
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