<   2008年 04月 ( 2 )   > この月の画像一覧

ベートーベンの月光

d0015174_9474982.jpg

ケンプの月光をYouTubeで偶然聴いた。感動に打ち震えた。こうした感動は何年に一回しかない。私のありかたさえ変えてしまうかも知れない美しさ…。思い出すだけでも身体が震える。言葉にならないものをなんとか言葉で表現出来ないものか、浅い眠りのなか考えていたが出てこない。

なんの変哲もない高齢のドイツ人のおじさんがわずかに顔の表情を見せながら静かにアルペジオを弾いている。ドイツ音楽のなかにある音の流れのなかに自然に表情をつけて行く、その表情は静かである。暖かみでもない。愛でもない。至福でもない。絶望でもない。システム化された音楽と人間の持つ感情の狭間、たとえて言えば高気圧と低気圧のあいだの「気圧の谷間」とでも言った言い方が分かりやすいかも知れない。あくまでも内面へと内面へと潜行して行く静かな嵐。「晩年」。
YouTube:Wilhelm Kempff plays Beethoven's Moonlight Sona

ケンプ
[PR]
by akiraogawaG | 2008-04-26 09:49 | クラシック音楽

斉藤敏雄さんを偲ぶ会

d0015174_22345720.jpg

 昨年亡くなったギター奏者斉藤敏雄さんを「偲ぶ会」が彼がよく行っていた横浜中華街の「富貴楼」で4月6日(日)に開かれた。
出席者は遠藤哲夫、黒沢一宏、青木信行、中沢貞夫、加藤和夫、松村 繁夫妻、小山智也、森島良三、、塚本さん、そして斉藤敏雄さんの奥さん斎藤奈三江さん、
いずれも斉藤敏雄さんが若い頃お付き合いをしていた頃のお仲間だ。
特に青木信行さんは斉藤敏雄さんが亡くなる時までその周囲にいて彼の遺したギターの売り手先を探すことに奔走したとの事だ。なかなか出来ることではない。
皆それぞれ何らかの形でギターを今も弾いている。その事はそれで素晴らしい事。なかなかそうはならない。嬉しい事。

話は殆どが思い出話に尽きた。

私はそうした過去の思いで話は本当は話したくない。過去を否定はしないしかし私は今日のことは明日になったら忘れたい。
私の頭脳の中の容量はもう殆ど満杯なので空き容量を作るために過去の事は削除したいのである。
食べたものが体の栄養になる。そして糞になって出て行く、それで良いのだ。その時その時の精神とエネルギーが保たれていればそれで良いのだ。
記憶の蓄積が腐って死に体状態に変化して、まるで真っ黒い便秘糞のように残るのを私はなるべく避けている。
「過去の思い出を人は自分の都合の良いように変化させているものだ。」とはよく知られた事だ。

「昔の仲間が集まれば昔の話」と言うのに耐えられない。「昔の仲間が集まって明日の未来の語る」そんな集まりをしたい。

多分そうなってしまうと初めから分かっているのだから出席しなければ良いのだが「もしかしたら…」と思う気持ちを持って出席した。

斉藤敏雄さんと最近お付き合いをしていなかった。病気見舞いもしなかった。それだからだろうか私には「斉藤敏雄さんは消えた」とまるで行方不明になった人を偲ぶような感じでビールを飲んでいた。
[PR]
by akiraogawaG | 2008-04-15 22:35 | ギター